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セザンヌ・ピカソ・ロダン・マティス…

喜多方の文化活動セピロマ会の夢を叶える

今年はパブロ・ピカソ!

 

 

 大正期の喜多方美術倶楽部(注1)から昭和期のセピロマ会(注2)へと連なる、地域に根ざした文化活動を再評価し、アーティストを受け入れ支援してきた喜多方の寛容な風土を再認識するとともに、その21世紀における展開を試みます。

 喜多方と同じ蔵の街・岡山県倉敷市にある公益財団法人大原美術館(注3)に協力をいただき、所蔵作品の中から、セピロマ会の命名の由来となったセザンヌ・ピカソ・ロダン・マティスの作品を一作家ずつ4年間にわたって展示いたします。あわせて大原美術館にレジデンスプログラム経験者・北城貴子氏の作品を展示。そのアーティストを喜多方へ招き、喜多方で制作した作品を公開します。

(注1)喜多方美術倶楽部

 

 

喜多方には、耶麻郡山都村(現喜多方市山都町)の田代與三久(蘇陽)が中心となり、1918(大正7)年から1926(大正15)年頃に「喜多方美術倶楽部」という美術支援運動が進められました。参加した16名の会員の多くは喜多方の商人や旧家である町衆達によって支えられ、その目的は、地方における芸術の普及のため、会津に来遊する芸術家をもてなし、画会や展覧会を開き、将来的には倶楽部の財産を作って美術館の建設を目指す、というものでした。田代がいつから美術愛好家の親睦団体結成を構想していたかは定かではありませんが、1917(大正6)年暮れの小川芋銭の訪問を契機に1918(大正7)年1月7日、大雪の日に「喜多方美術倶楽部」が結成されました。1926(大正15)年に終わりを告げるまで喜多方地方における芸術文化の普及につとめました。

 

(注2)セピロマ会と佐藤恒三

 

 

「セピロマ会」は、喜多方美術倶楽部の志を引き継ぎ、彫刻家・佐藤恒三を中心に喜多方の美術愛好家によって、戦後間もない1946(昭和21)年に発足します。

佐藤恒三(1904-1965)は喜多方美術倶楽部の会員でもあった大和川酒造六代目佐藤彌右衛門の三男として生まれます。喜多方中学から東京美術学校彫刻科に学び、在学中から文展・帝展への入選を果たしました。ロダンに傾倒していた恒三は卒業後に渡仏を願いますが戦争により断念します。その西洋美術への憧れが、ポール・セザンヌ、パブロ・ピカソ、オーギュスト・ロダン、アンリ・マティスの頭文字を冠とした「セピロマ会」の創設へと至りました。個人を尊重する佐藤恒三の考えが現れた個性を伸ばす絵画教室のほか、地域活性化を目的とした活動を通して美術振興に貢献し、窮乏する戦後、若者達に夢と希望を与えました。

佐藤恒三

(注3)公益財団法人大原美術館

 

 

大原美術館は、1930(昭和5)年に、西洋近代美術を常設公開する日本で最初の本格的な美術館として倉敷の地に設立されました。著名な作家の作品展示だけではなく、近年では、アーティスト・イン・レジデンスのプログラムARKO(Artist in Residence Kurashiki, Ohara)や有隣荘特別展による若手芸術家の支援、チルドレンズ・アート・ミュージアムなどのイベントや、年間でのべ4千人を超える未就学児童の受入れなど未来を担う子どもたちのための教育普及活動などにも力を入れ、現在も発展し続けている美術館です。

大原美術館外観

ともにつくり、共有する。

みらいに向けた新しい価値に気づき、築く。

 

 

 

喜多方市は、歴史・文化など多様な観光資源に恵まれ、年間180万人以上の観光客が訪れる観光都市となっています。市街地では蔵のまち並みなどの歴史・文化資源を活かし、歩いて楽しめる商店街など地域の特徴を活かしたまちづくりやイメージづくりを進めています。

「喜多方アート暮らし」は、歴史・文化など多様な地域資源の保存と活用による、潤いのある豊かな生活環境の創造及び、個性的で活力ある地域社会の実現を促し、地域コミュニティ活動の促進、地域の魅力向上を図ります。

本年は、「教育・地域活動」をテーマに活躍する芸術家3組を喜多方に招き、滞在しながら制作活動を行うアーティスト・イン・レジデンス、地域交流を目的としたワークショップや講演会など、市内に所在する蔵をはじめとする伝統的文化施設や空き店舗、廃校を活用しながら実施します。地域住民が身近に先端性、芸術性の高い文化芸術を体験できるワークショップ等を積極的に開催することにより、地域住民参画型の風格ある、新しい喜多方市の創造を推進するとともに、喜多方市の歴史・文化の魅力を全国へ向けて発信します。

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昨年度2013年の活動

企画:筑波大学宮原克人研究室

   中山晴奈(参加作家)

2013年クロージングイベント「地の食・地の器」

会場:大和川酒蔵北方風土館 昭和蔵

上越教育大学伊藤将和研究室

「凸凹美術館」

三ノ倉高原にて小学生と風景を描く

 

ともにつくり、学ぶ。

先人の知恵と努力を振り返り、いまに繋げる。

 

 

 

喜多方市の約69%を占める豊かな森林は、漆器業や酒造業などの伝統産業、特色ある歴史、食文化、山岳信仰、伝統工芸の源となっています。

「森ものがたり」は市民が森林の大切さと森林文化への理解を深めること、森林を守り育てる意識の醸造を図ることに加え、これまでと違った視点から、森林資源を活用することで、木材を中心とする地場産業に創造性に満ちあふれた新しい活力を促し、森林文化を核とした地域の魅力向上を図ります。

本年は、森林文化や植物をテーマに活躍する5組の芸術家、食文化の研究者、芸術や教育系大学の学生を喜多方に招き、地域に滞在するアーティスト・イン・レジデンス、地域住民とのワークショップを市内に所在する蔵をはじめとする伝統的文化施設や空き店舗等を活用しながら実施します。それらを通して喜多方の森林資源と伝統産業や人々とのつながりの歴史について学習機会が創出されるとともに、地域の素材の良さや森林環境に対する意識の高揚が期待されます。

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昨年度2013年の活動

中山晴奈

「STRIKE INTO THE WOODS」

薬草茶をつくるワークショップ

山本あまよかしむ

「くさの王国」

縄綯いのワークショップ

 

 

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